2010年11月16日火曜日

MP35-133 ソ連戦車煙幕タンク 参考画像

MP35-133 ソ連戦車煙幕タンク









無限無軌道様より、「MP35-133 ソ連戦車煙幕タンク」についての解説をいただきましたので紹介します。解説は特にT-34戦車系列についてのものです。

 
 
 
 

1.煙幕噴出口
2.点火用電源ソケット


この缶は車体リアパネルに取り付けるようになっています。

























車体後部に取り付けられたやや小さなタンクは、車外燃料タンクです。
取り付けラックは煙幕タンクと共用のようです。よく見ると、このラックには投棄機構が付いてます。
リアパネル、左右に伸びるパイプはその為のロッドを通す管です。
 






 



但しこの3枚の画像で示したラック、112工場製のT-34特有のちょっとレアなタイプのようです。
リアパネルは大変な重量物ですから、開いた際にラックを変形させてしまう事例があったのかも知れません。







そのような訳で、こういう取外し式のラックがより一般的です。

上から見るとこんな感じ。何やら円筒状の突起が付いてます。
左右共通で使えるように、突起取付のネジ穴が両側に用意してあります。



勿論、投棄機構は付いてます。ラックのフックを掴む鉤爪機構は、リアパネルのネジ頭についています。
だから先の画像では回転して横をむいていた、と。煙幕缶にもバリエーションがあって、興味が尽きません。











T-34も戦後改修でドラム缶増槽を背負うようになります。
T-54等と使い勝手を揃える配慮と思われます。

そうなると車体後部に煙幕缶を置けなくなるので、SU-100の場合、煙幕缶ラックはこちらへ移ります。
取付ボルトの頭に注意。ストラップをかける豚の尻尾のようなフックが付いています。
 

T-34だと砲塔旋回の邪魔になるため、SU-100と同じ場所に置くことはできません。
そこで車体左側面の筒型燃料缶ラックを1組撤去して置かれます。

ですので、T-34の左側筒型燃料缶がチグハグな高さで付いているのは、
実はこの煙幕缶ラックを利用しているためなのです。


しかし煙幕缶とドラム缶増槽の両方を取り付けられるラックも存在します。
・・・リアパネルを開いた際に変形させる危険性は飛躍的に高まりますが・・・
この複合型ラックは滅多に見掛けません。

戦後のポーランド製T-34/85。ラックは先と同様の根本解決型です。


 
ポーランドM2のラック画像です。先の戦車全体像をもう1度見直してください。
あの車体側面には、この外した増槽ラックが裏返しで転がしてあります。
取付にリアパネルのボルトを利用する為、結構凝った形状です。

似た画像ですが、この2枚でラックの上下両端に爪の付いているのが判ると思います。
どうやらこのラック、ストラップで締め付けるのではなく直接ドラム缶を掴む機構のようです。
上の戦後型T-34の車体後部増加タンクのホルダーのように、
ドラム缶にはプレスではなくI型断面のリングを巻いて補強したタイプがあります。
このリング部を掴めばストラップは不要という訳です。


戦後T-34を生産したポーランドには、T-34/85M2というユニークなモデルがあります。
シュノーケルを使用する潜水渡河機能を備えたこのM2、ラックは先と同様の根本解決型です。
 
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2010年11月27日 追加説明をいただきましたので、掲載します。


ASU-85の車体後部に煙幕タンクが見えます。
エンジンデッキ上には燃料タンクが載っています。



デッキ後端に取り付けられた燃料タンク。ラックは煙幕タンクと共通です。




T-34/85車体後部に煙幕タンクが見えます。
ドラム缶の燃料タンクに挟まれて、投棄は難しそうです。
いつまでもモクモクやっていたんでは僚車の視界は妨げるし、部隊の位置を晒すしで、使用後は速やかに煙を離したい筈ですが・・・。


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